住宅ローンの基本 返済

こんな場合に要注意!住宅ローン返済の落とし穴

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住宅ローン返済の前に覚えておきたい要注意パターン3つ

今日は、住宅ローンを借りるうえで注意しなければいけない住宅ローンの落とし穴について説明します。
FPのテツコさん
トモヤさん
落とし穴!?何それ?
住宅ローンには、一見すると気づきにくいカラクリがいくつも存在してるんです。

あらかじめ知っておくことで、失敗を防ぐことができます!

FPのテツコさん

 

住宅ローン3つの落とし穴

  1. 利息が返済額を上回る!?未払い利息の恐怖
  2. 超低金利」のはずが逆に家計を圧迫する!?
  3. 新築物件の価格は購入後に下がっていく

 

1.未払い利息に要注意!

変動金利で借りている場合は、未払い利息に注意しなければなりません。

未払い利息とは何か?その前に、変動金利型ローンのこれらの特徴をおさらいしておきましょう。

変動金利型ローンの特徴4つ

  1. 1年に2回、金利の見直しがある
  2. 返済額の見直しは5年に1回。金利が変動しても返済額は5年間変わらない。(5年ルール)
  3. もし5年に1回の返済額見直し時に金利が上昇して返済額が大幅にアップしても、見直し後の返済額は見直し前の返済額の1.25倍までしか増えない(1.25倍ルール)
  4. ただし、その場合でも利息に上限を設けるルールはない(元金充当額が減るだけ)

変動金利型の民間ローンの金利見直しの基準日は、一般的には4月1日と10月1日となっています。
半年分の金利しか約束しないため、金融機関から送られてくる返済予定表も6か月分のみです。
見直し時に金利が上がっても、返済額は5年間は変わらず、利息に充当する割合が増えるという仕組みになっています。
この「返済額は5年間変わらない」という5年ルールが注意ポイントです。

具体的な例で考えてみましょう。
以下の条件でローンを借りたとします。

借入額3000万円・金利2.375%
返済期間35年(元利均等返済)

元利均等返済は、返済額が毎月変わらず、返済が進むごとに利息額がだんだん減って元金に充てる額が増えていくという仕組みです。

以下が当初6回分の返済予定表です。

回数 返済額 うち利息 うち元金 ローン残高
1 105,249 59,375 45,874 29,954,126
2  105,249 59,284 45,965 29,908,161
3  105,249 59,193 46,056 29,862,105
4  105,249 59,102 46,147 29,815,958
5  105,249 59,010 46,239 26,769,719
6  105,249 58,919 46,330 29,723,389

1回の利息額は6万円弱、元金は約4万5000円になっています。

ここで、仮に25回目(3年目)からの適用金利が上がって4.373%になったとします。
金利が上がっても、毎月の返済額は105,249円で変わらないため、返済表はこのようになります。

回数 返済額 うち利息 うち元金 ローン残高
1 105,249 105,244 5 28,873,581
2 105,249 105,244 5 28,873,576
3 105,249 105,244 5 28,873,571
4 105,249 105,244 5 28,873,566
5 105,249 105,244 5 28,873,561
6 105,249 105,244 5 28,873,556

すると、利息額は10万5244円となります。
これは、月々の返済額とほぼ同額になります。
返済額は5年間変わらない「5年ルール」があるので、元金の返済に充てる額はたったの5円。
つまり毎月の返済で元金はほとんど減らず、利息のみを返済するという状態になってしまうのです。

では、このパターンよりもさらに金利が高くなった場合はどうなるでしょうか?
そうなると利息額が返済額を上回ってしまい、元金が減らないどころか支払い利息が足りなくなります
これが「未払い利息」です。
※未払い利息が発生する金利水準は、借り入れ条件によって異なります。

また、5年経って返済額を見直した際、「見直し後の返済額は見直し前の返済額の1.25倍まで」という「1.25倍ルール」にも注意が必要です。
ここでポイントなのが、返済額に上限があっても利息額には上限がないということです。
その結果、元金充当額が減るだけということになってしまいます。

このように、未払い利息のリスクは一見分かりにくく、複雑です。
変動金利型が持つリスクが実際にどのような形で影響を与えるのか知らずに利用している人も多いのではないでしょうか。
借入金額が多ければ多いほど家計に与えるダメージは大きくなります。
変動金利型のローンを借りる場合は、十分に注意が必要です。

 

2.「1%ローン」が3年後に家計破綻を招く!?

住宅ローンのキャンペーンとして、1%や0.98%といった、住宅ローンの金利としては考えられないくらい「超」低金利のローンがあります。
一見かなりお得に見える超低金利ローンですが、実はここには落とし穴があるんです。

このような超低金利のローンは、期間1~3年の固定金利選択型であることが多いです。
当然、固定期間が終了すれば大型割引も終了するので、返済額はアップしてしまいます
では、具体的にどのくらい影響が出るのか見てみましょう。

次の場合を考えてみます。

1%ローン(固定期間3年間)で3000万円を借りた場合

(金利1%はキャンペーン金利で、本来の金利水準は2.25%)

この条件のもとだと、固定期間の3年間の毎月返済額は8万4685円になります。
それでは、固定期間が終了して金利が上がったらどうなるのでしょうか?
下の表は、固定期間が終了した後の返済額を試算したものです。

固定期間
終了後の金利
毎月の返済額 1年あたりに
増える金額
アップ率
2.25% 10万1697円 約20万円 20%
3% 11万2787円 約34万円 33%
3.5% 12万533円 約43万円 42%
4% 12万8550円 約52万円 52%

現在、3年固定の金利水準は本来2.25%ほどです。
それが1.25%引きで1%となっているわけです。
当初3年間だけそれほど大きな割引がされているわけですから、固定期間終了後は適用金利・返済額ともに大幅アップすることは確実です。
3年後、金利が3.5%だとすると、返済額は42%もアップしてしまいます!

もし最初の3年間の返済額を今の家賃並みの金額に設定していたとすると、5割近くも返済額が増えてしまえばと家計がパンクしてしまう可能性がありますよね。

変動金利型のローンであれば、基本的にいつでも固定金利に切り替えることができますが、固定金利選択型の場合は、固定期間が終了するまでは金利タイプを変更することができません。
そのため、その間に金利が上昇してしまった場合は、他行に借り換えをしない限り逃げ道がないのです。

利息の変化にも注目して見てみましょう。
固定期間終了時の金利が4%だった場合、返済額がアップするだけでなく、利息はなんと9万円超になります。
また、毎月元金に充当される金額は、返済当初は約6万円だったのに対して、固定期間終了後は3万円台にまで減少してしまいます。

1%という超低金利とはいえ、たった3年という短期間ではローン残高は大きく減ることはありません。
そのため、固定期間終了後に反動がくるのです。

一見お得な印象のある超低金利ローンは、メリットが少ない割にリスクが高い住宅ローンです。
目先の低い金利で多額のローンを組んでしまうのはとても危険なことです。

 

3.新築物件の価格は買った直後に2割下がる

住宅の価格は、原則として購入した後に値下がりするものと思っていた方がいいでしょう。
特に新築マンションなどの場合は、本来の土地と建物の価格に加えて、開発業者の粗利益や販売コストが2割程度上乗せされた価格で販売されています。
そのため、購入した直後に価格はまず20%ダウンしてしまいます。
マンションの場合は全体の価格の中で建物の価格が高い割合を占めているので、だんだん値下がりしてしまうことは避けられません。
建物は古くなるほど価値が下がるの原則なのです。
その土地の価格が大きく上昇したり、その建物自体の付加価値や利便性が高く人気の物件となったりすれば値上がりすることもあるかもしれませんが、そうでなければ値上がりは期待できないでしょう。

景気が良くなれば少しは値上がりするんじゃないの?という人もいますが、それは間違い。
マンションが値上がりしたのは、バブル時代のことです。
バブル期では、土地部分の価格が異常に急騰したことによって物件価格が上昇しました。
短いバブル期の印象が強すぎたため、「今は下がってしまったけれど、またいつかは値上がりする」と思う人が多くなったのです。

物件価格より借金の方が多くなる!「逆ザヤ」に注意

頭金を用意するときは、この「物件価格は購入直後に下がる」ということを覚えておかなければいけません。
頭金が少ないと、購入直後に借金の額が物件の時価を上回ってしまう、いわゆる「逆ザヤ」と呼ばれる状態になります。

たとえば、新築マンションを4000円で購入したとします。
頭金は借入金額の2割程度は用意しておくべきだとされていますが、頭金を1割しか用意できなかった場合を考えてみましょう。
つまり、4000万円の購入価格のうち、400万円が頭金で3600万円が住宅ローンで借りた金額ということになります。

さて、この物件は4000万円で購入したものですが、買った直後に価格が2割下がったとしましょう。
すると物件価格3200万円に対して借入金の金額が3600円と上回ってしまいました。

物件価格はその後も値下がりが続きます。
当然、返済が進むにつれて住宅ローン残高も減ってはいきますが、物件の時価の下がり方に比べ住宅ローン残高の方が緩やかに減少していきます。
もしマイホームを手放すとなったときには、原則としてこの「物件価格を借入金が上回った金額」の分の現金がなければ売ることができないのです。
住宅の価格が下がることによって、頭金の割合が低いとこうした状態になってしまうこともあるということを覚えておきましょう。

 

トモヤさん
知らずに借りてしまったら危ないですね……
いざ返済というときに公開しないように、住宅ローンのカラクリやリスクはしっかり知っておきましょう!
FPのテツコさん

 

まとめ

  • 変動金利で借りる場合は、未払い利息に注意
  • 超低金利ローンは一見お得だけど実はハイリスク!
  • 物件の価格は購入後に下がる。逆ザヤ状態を避けるために、頭金は多めに準備しよう

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