そんなとき有効になってくるのが繰り上げ返済なんです!
繰り上げ返済で元金が早く返せる
手元にある資金に余裕ができたら、繰り上げ返済を検討するのがおすすめです。
繰り上げ返済とは?
通常のローン返済とは別に、一時金としてまとまった資金を差し入れて元金を返済することです。
「内入れ」とも言います。
このとき差し入れた一時金はすべて元金の返済にあてられます。
そのため、本来かかるはずだった利息が不要になり、総返済額を大きく減らすことができるのです。
定期的に繰上返済を行うことは、支払う金額を少なくする上でとても有効です。
特に、高い金利で返済している場合や、返済を初めて間もない頃は、繰り上げ返済の効果は大きくなります。
また、繰り上げ返済をすると、ローン保証料が一部戻ってきます。
繰上返済には、残りの元金を一気にすべて返済する「全部繰り上げ返済」と、元金の一部のみを返済する「一部繰り上げ返済」があります。
ローンの返済中に定期的に行うのは「一部繰り上げ返済」であり、以下の2つのタイプがあります。
繰り上げ返済の2つのタイプ
- 返済期間を短くする「期間短縮型」
- 返済期間は変えずに毎月返済額を減らす「返済額軽減型」
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①利息を大きく減らせる期間短縮型
より利息の軽減効果が大きいのが、期間短縮型です。
総支払額を少しでも抑えたいという方には、期間短縮型の繰り上げ返済をおすすめします。
住宅ローンを借りるときには、毎月返済額を低くした方が、審査に通りやすくなります。
本来であれば短めのローンを借りたいものの、毎月返済額を低くするために35年いっぱいのローンを借りるという人も多いでしょう。
ですが、もし35歳のときに35年のローンを借りた場合、返済が終わるのは70歳ということにになります。
返済がスタートしてから定期的に繰り上げ返済をして、徐々に返済期間を縮めていく方法が有効です。
②家計の負担を軽くする返済額軽減型
返済額軽減型は毎月の返済額を減らすことができるため、毎月の家計の負担を軽くすることができます。
期間短縮型と比べると、総利息額を減らす効果という面では劣ってしまいますが、実際に住宅ローンを返済していく中では都合が良い場合があります。
収入が減ってしまったり、子どもの進学などで教育費の出費が多くなってしまったりという急な支出が必要な場合に家計を立て直すのに役立ちます。
変動金利の住宅ローンにおすすめ!
返済額軽減型の繰り上げ返済を特におすすめしたいのが、変動金利や期間選択型の固定金利で住宅ローンを借りている場合です。
これらのタイプの住宅ローンでは、金利が上昇したら毎月返済額が急激に増えてしまうというリスクがあります。
まとまったお金を準備しておけば、もし金利が上昇して毎月返済額がアップしてしまったとしても、そのお金を返済額軽減型で繰り上げ返済することで、毎月返済額の負担を抑えることができます。
期間短縮型と返済額軽減型、どっちがいいの?
同じ額を繰り上げ返済するなら、節約できる利息の金額は期間短縮型のほうが多いです。
たとえば、次の場合を考えてみましょう。
・3000万円のローンを金利1%で借りている
・100万円を期間短縮型で繰り上げ返済する
それぞれのパターンで繰り上げ返済をすると、このようになります。
返済額軽減型 | 期間短縮型 | |
---|---|---|
毎月返済額 | 9万2959円 | 9万6491円 |
残り返済期間 | 27年 | 25年11ヶ月 |
減少する利息額 | 14万1061円 | 30万1914円 |
減らせる利息の額に倍以上の差がつきました。
このように、利息軽減効果が大きいのは明らかに期間短縮型なので、一般的には期間短縮型をおすすめします。
ですが、収入の減少やなかなか貯蓄が思うようにできないといった場合には、「返済額軽減型」を選び、まずは家計のキャッシュフローを整えることを優先してもいいかと思います。
繰り上げ返済について知っておきたいポイント
住宅ローン減税にも対応できる!
住宅ローン減税を受けるためには、返済期間が10年以上であるという条件を満たしている必要があります。
しかし、期間短縮型の繰り上げ返済を繰り返していると、いずれ返済期間が10年を割ってしまうこともあると思います。
このような場合、ローン減税の基準から外れてしまうのか?と疑問に思われる人もいるかと思います。
ですが、ローン契約時の返済期間が10年以上であれば、繰り上げ返済後の返済期間にかかわらず住宅ローン減税は引き続き受けられます。
なお、住宅ローン減税は年末の残高の1%が戻ってくるという仕組みなので、その時期に繰り上げ返済を行うのであれば年末よりも年が明けてからにしたほうがお得なこともあります。
繰り上げ返済は早めにするほど得!
繰り上げ返済をする上で大事なポイントは、早いタイミングでするほど利息軽減の効果が高くなるということです。
たとえば、先ほどと同じ次の場合を考えてみましょう。
・3000万円のローンを金利1%で借りている
・100万円を期間短縮型で繰り上げ返済する
返済額軽減型 | 期間短縮型 | |
---|---|---|
毎月返済額 | 9万2959円 | 9万6491円 |
残り返済期間 | 27年 | 25年11ヶ月 |
減少する利息額 | 32万8058円 | 21万4391円 |
ローン開始1年後に繰り上げ返済した場合は約33万円の利息を減らすことができます。
対してローン開始10年後に繰り上げ返済した場合では、利息軽減額は約21万円になってしまいます。
10万円以上の差がついてしまいました。
また、複数のローンを借りている場合、金利が高い方のローンから繰り上げ返済した方が利息軽減の効果は大きくなります。
ただし、たとえば「当初10年間固定金利」(借り入れ当初10年間は優遇金利が適用されるローン)の場合は、最初の10年間の間にに繰り上げ返済をしても、優遇金利が適用されるため、結果として優遇期間が終わった後の金利が高くなる期間を短縮することができます。
日先の金利だけで比べるのではなく、長い目で見てどちらが良いのかを見極めましょう。
繰り上げ返済には手数料がかかる!
繰り上げ返済は早い時期にするほど効果的なので、まとまったお金が貯まるのを待ってから繰り上げ返済するより、定期的にこまめに繰り上げする方が、利息が減る効果は大きくなります。
しかし、ここで注意してほしいのが、繰り上げ返済には手数料がかかることもあるということです。
手数料は金融機関によっても変わりますが、返済額によって5000円~30000円というように変わってくることもあります。
最近では繰り上げ返済手数料を無料にしているローンも増えているため、最初からこのタイプのローンを選んでおけば、繰り上げ返済がしやすくなります。
また、固定期間選択型の場合は、固定期間が終了するタイミングだと繰り上げ返済手数料が安くなったり無料になったりすることもあります。
民間ローンの繰り上げ返済手数料は以下の通りです。
変動金利 | 固定金利期間選択型 | |
---|---|---|
フラット35 | 無料 | |
三菱UFJ銀行 | 3150円 | 100万円未満:5250円 100万円以上:21000円 |
みずほ銀行 | 5250円 | 100万円未満:10500円 100万円以上1000万円未満:31500円 1000万円以上:52500円 |
三井住友銀行 | 期間短縮型:8400円 返済額軽減型:10500円 |
100万円未満:21000円 100万円以上:31500円 |
りそな銀行 | 5250円 | 1000万円未満:31500円 1000万円以上:52500円 |
ソニー銀行 | 無料 | 100万円以下:2100円 100万円超:5250円 |
新生銀行 | 無料 | 無料 |
中央ろうきん | 無料 | 無料 |
住友信託銀行 | 5250円 | 21000円 |
定期的に繰り上げ返済をするつもりでローンを借りるのであれば、手数料にも注目してローン選びをしましょう。
無理な繰り上げ返済は禁物!
このように、繰り上げ返済には様々なメリットがありますが、だからと言ってどんどん繰り上げ返済をしていけばいいというものでもありません。
繰り上げ返済をすることで、手元の資金がなくなってしまうことに注意が必要です。
手元にまったく資金を残さずに繰り上げ返済をしてしまう人がいますが、突然予定外の資金が必要になこともあるかもしれません。
子供の進学が公立から私立へ変更になったり、突然の病気にかかってしまったりという場合には、お金はすぐに必要になります。
生活費半年~1年分くらいは最低「予備資金」として蓄えておいたほうがいいでしょう。
こうしたときに備えがなく、教育ローンや多目的ローンなどほかのローンを利用することになると、余計な利息が増えてしまいます。
それどころか、繰り上げ返済をするよりも高い利息を払うことになりかねません。
繰り上げ返済はあくまで資金に余裕があるときに行い、無理して繰り上げ返済をするのは避けましょう。
ローンを一度借りたら借りっぱなしにするのではなく、定期的に繰り上げ返済を実行しましょう!
まとめ
- 元金の返済に充てる繰り上げ返済をすることで、利息の額を減らすことができる
- 毎月の返済額を減らす返済額軽減型に比べて、返済期間を短縮する期間短縮型の方が減らせる利息の額は大きい
- 繰り上げ返済は早めに行う方が利息軽減効果は大きい。ただし無理な返済は禁物!
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