フラット35のパワーアップバージョンがある!?
自分にピッタリな商品があったら、こちらも検討してみてくださいね!
フラット35S
購入する物件が、長期優良住宅や認定低炭素住宅に該当したり、耐震性やバリアフリー性に優れているという一定の基準を満たしている場合、「フラット35S」(優良住宅取得支援制度)を利用することができます。
フラット35Sでは、一定の期間中、金利がフラット35の金利からさらに引き下げられます。
フラット35Sの金利優遇措置は、住宅の性能に応じて以下の2種類のプランに分かれています。
- 金利Aプラン:返済当初10年間の金利が0.3%引き下げられる
- 金利Bプラン:返済当初5年間の金利が0.3%引き下げられる
金利引き上げ期間5年のBプランより、引き下げ期間が10年のAプランの方が、技術基準はやや厳しめになっています。
長期優良住宅等に該当すれば、通常のフラット35よりもさらにローンの返済負担が軽減されますので、必ず利用しましょう。
自分の購入する住宅がその条件に該当するかどうかを分譲業者や工務店などに問い合わせてみるといいと思います。
注意ポイント
ただし、フラット35Sにはあらかじめ予算の上限が上限が設けられており、申込み時期が年度末近かったりする場合は、すでに募集が締め切られていて利用できないこともあります。
早期終了の際には、フラット35のホームページで3週間前くらいに告知されますので、チェックしておきましょう。
フラット35リフォームパック
新築の家を建てる余裕がない人は、中古住宅を購入してリフォームを行う場合もあるかと思います。
リフォームエ事の資金を用意する方法としては、
- 自己資金でまかなう
- リフォームローンを利用する
- リフォーム資金も併せて借りられるタイプの民間住宅ローンを利用する
というのが一般的な選択肢だと思います。
でも、「フラット35リフォームパック」を利用すれば、中古住宅の購入資金とリフォームエ事で必要となる資金を1つの手続きで借りることができます。
ポイントとして、次の点を押さえておきましょう。
- 設備や水周り、内装の大規模リフォームなどの規定されたリフォームエ事を、中古住宅の購入後に行うことが前提。
- 「フラット35パッケージ」(金融機関がフラット35と民間住宅ローンを一体的に融資する商品)を利用する。
- 利用する際には「中古住宅特例融資」の申し出を行う。
- 「フラット35」からの借入金額が、中古住宅の購入価格とリフォームエ事費の合計額の9割以内であれば、「融資率9割以下」と同じ条件の金利が適用される。
フラット35リフォームパックは、取扱い機関が少ないため気軽に利用できないのが難点ですが、中古住宅の購入を検討している人はチェックしておくといいと思います。
フラット50
フラット50は、2009年の経済対策によってフラット35の兄弟分として新しく登場した住宅ローンです。
フラット35の返済期間が最長35年なのに対して、フラット50は文字通り、返済期間が最長50年と長期にわたるのが最大の特徴です。
ただし、利用にあたっては、商品性を十分に理解しておくことが大切です。
フラット50は、購入する住宅が長期優良住宅等である場合に利用できます。
取り扱っている金融機関は全国にありますが、数が限られていますので、まず自分が利用可能なのかを確認する必要があります。
商品の概要は以下の通りです。
融資対象長期優良住宅など。
長期優良住宅認定通知書等の提出が必要。
※中古住宅の場合も要件を満たせば可
36年以上50年以下
ただし、「80歳-現在の年齢」が上限
満44歳以下
※親子リレー返済を利用する場合を除く
6,000万円(購入価格等の6割以内)
フラット35との併用可能(合計で購入価格等の10割まで融資可)
ただし、フラット35とフラット50を合わせた融資率が購入価格等の9割を超える場合は、全体の適用金利が高くなる
フラット35より0.5%~0.8%程度高い
金利優遇基本的には、フラット35Sでの利用ができるため、同じ優遇措置が受けられる
借り換え利用できない
まず覚えておかなければならないのは、年齢制限があるという点です。
親が借り他ローンの返済を子ども等が引き継ぐ「親子リレー返済」を利用する場合を除くと、44歳以下の人しか借りることができません。
また、返済終了時の年齢が80歳までにならなければいけないため、実際には最長返済期間である50年返済が利用できるのは30歳未満の人の場合に限定されることになります。
また、融資限度額は6,000万円までですが、実際には物件価格の6割までしか借りられません。
ただし、フラット35と併用すれば、合計で10割(全額)までの融資が受けられます。
返済期間が長いとこんなリスクが!
フラット50の最大の留意点は、返済期間が長いことがメリットにもデメリットにもなり得るということです。
返済期間が長いため毎月の返済額が減るというのは魅力ですが、金利水準はフラット35より高くなっているため、負担感はそれほど変わらないのが実状です。
また、返済期間が長いと、将来的なローン残高が全然減らないという点がデメリットとして挙げられます。
返済から10年経っても、借入金額の13%程度しか残高は減りません。
そのため、頭金を少額しか用意できなかった場合、将来売却することになった際に、ローン残高が売却代金を上回る(逆ザヤ)危険性もあることは認識しておくべきでしょう。
フラット50のメリットって何?
では、フラット50を利用するメリットは何なのでしょうか?
それは、将来的にインフレになって貨幣価値が下落した場合、ローン残高や返済額の実質的な負担が減るという点です。
また、売却時する場合には、その物件を購入する人に対してフラット50の債務を引き継ぐことができます。
なので、将来インフレが起こった場合には、「低金利なローンの魅力的な物件」として、有利な条件で売却できる可能性もあります。(ただし、引き継げるのは1回限りです)
とはいえ、絶対に将来インフレが来るとはなかなか言い切れないですよね。
リスクをとって、後から苦しくならないようにしっかり考えて判断しましょう。
子育て支援型・地域活性化型
また、子育て家庭に優しいちょっと特殊なフラット35もあります。
子育て支援や地域活性化に積極的な取り組みを行う地方自治体と住宅
金融支援機構が連携して提供しているのが、「フラット35子育て支援型」「フラット35地域活性化型」です。
フラット35子育て支援型
若い子育て世帯による住宅購入だったり、親との同居・近居のための住宅購入などの場合、一定の条件を満たすと利用できます。
フラット35の当初5年間の金利が年0.25%引き下げになります。
フラット35地域活性化型
地方から都市へ移住した人が再び地方へ移動した場合(UJIターン)に利用できます。
地域活性化に積極的な地方公共団体が行財政的支援とセットで提供し、同じく当初5年間の借入金利を年0.25%引き下げる制度です。
都会を離れて地方に移住したい人におすすめです。
ただ、利用条件やデメリットなどもしっかりチェックしておきましょうね!